【趣旨】

 

-広島住宅研究会発足に向けて-

 昨今、住宅産業界においても大きな時代のうねりを感じます。
規制緩和をベースに、住宅の仕様規定から性能規定重視へという方向へ基準が改正され、消費者保護を目的とした品確法等、新しい法律が次々、施行されていく中で、法の整備は整いつつあるようです。
 が、建築に携わる人間の一人として、今の建築、国の政策には、疑問に思う点がいくつかあります。又、省資源、省エネルギーの観点から高断熱、高気密は大事なことですが、もっと大事なことが置き去りにされている気がしてならないのです。さらに、IT革命の中で情報のデジタル化、インターネット等、住宅も新しい対応を迫られています。

 今回は日々の仕事の中で疑問に思うことを共に悩み、研究し、意見交換していく中で、ひとりひとりが、自己研鑚、スキルのレベルアップを果たす。そして、一つのグループとして業界の現状を検証しながら、社会に向けて、何がしらかのアンチテーゼを投げかけていきたいと考えています。又、その成果を消費者に還元していくことは、プロとしての社会的責任のように思います。

 問題意識をもてる方、学びたい方であれば、きっといい仲間づくりが出来ると思います。

 

2001.02

-過去2年間の歩み-

 瀬戸内の温暖な広島でも高断熱・高気密住宅が必要なのか?
国策として何を根拠として打ち出されたか?
私達はこの根拠である地球温暖化二酸化炭素説に基づく省エネルギー政策について検証をしました。

 地球温暖化のメカニズム、過去100年の地上平均気温の上昇、海面水位の変化。
これらは化石エネルギー消費の結果による二酸化炭素が原因であることを学びました。

 この説に基づいて二酸化炭素排出削減=石化エネルギー消費の削減が国際的に提案され、日本もこの方向を打ち出しました。
1990年のデータで、消費エネルギーの内、建築関係が36%、その内の住宅運用エネルギーが12.5%と大きなウェイトとなっています。この住宅運用エネルギーを減少させることを目的として、次世代省エネルギー基準が制定され、実現の方策として、高断熱・高気密住宅が国策として打ち出されました。

 私達は、高断熱・高気密は、不十分な理解や工法によっては、家の寿命と人の健康に甚だしく害を及ぼすことを知りました。
また、地球温暖化二酸化炭素説そのものにも疑問を持ち、番外編として、「エコロジー神話の功罪」槌田敦著を徹底的に議論をし、総合的なエネルギー政策やリサイクル問題に大いに問題ありと捉えている会員もいます。

 私達は、耐久性の高い住宅を建てるためには、断熱工法が重要であること。人の健康には室内空気環境の維持が大変重要であること。このいずれにも関係する最も重要な要素である湿気についてその基礎から勉強しました。

 この会では、一定の方向を打出して強制するのではなく、住宅に関わる個々の立場で自己判断に基づいて対応することで一致しています。
但し、住宅造りの根幹の方針は、

  ① 住宅は高耐久性の社会資本として考える。
  ② 住む人の健康を阻害するものを可能な限り排除する。
  ③ 住む人の求めるそれぞれの快適さを実現させる。
  ④ 住宅の全過程に於いて、可能な限り地球に負担を掛けない。

 以上が、2年間の研究によって得た、私達の基本的な方向であります。

 

2003.07

-今年度のコンセプト-

 上記結論を実現させようとすると、それぞれの地域の気候や風土にしっかりと根付いた民家は、多くの理想的な要素を持っていることに気付きます。

 住宅評論家の南雄三氏は、著書「高断熱・高気密バイブル」の第Ⅵ章エコハウスへのステップ、環境共生住宅とは何か?の中で、
「環境を勉強し、意識して住宅デザインを追求していくと、悔しいほどその構成は田舎の家に戻ってしまうのです。」と述べておられます。

 又、先般、(財)日本住宅・木材技術センターから「伝統的工法等の活用」に関するアンケート調査が行われ、その目的の中に「21世紀を迎え、長寿命で循環型の住まいづくりが重要な課題として認識されています。かってのわが国では、それに適う木造住宅の技術体系と生産体制が広く確立していたと捉えられています。したがって、そうした伝統に根ざした住宅技術の長所を現代の住まいづくりの中に生かしていくことは、長寿命で循環型の住まいづくりを実現する上で、極めて有用と考えられます。」とあります。

 私達は、高断熱・高気密住宅の対局にある日本の伝統的な民家についても、必ずしも充分な知識を持っているとは言えません。
そこで、今年度は、「伝統に学ぶ」をコンセプトに、日本の伝統的民家の基礎的知識を、中国地方の民家の地域の特性について、地元広島の民家の詳細な特徴を現地見学会と共に研究する予定です。
更に、建築の部位別・材料別の詳細な研究に入って行く予定です。


2003.07

 

【会則】

 

第1章 総則
 第1条 本研究会は「広島住宅研究会」(以下「本会」という。)と称する。
 第2条 本会の事務局は、第18条で依嘱された者の所在地に置く。

 
第2章 目的
 第3条 本会は、住宅について関心のある個人が、問題点を研究し、その本質に迫ることを

     通して、会員各自の住宅への関わり方を明確にし、その結果を消費者に還元するこ

     とを目的とする。

 
第3章 事業
 第4条 前条の目的を達成するために次の事業を行う。
    1)住宅に関する勉強会。
    2)住宅に関連する情報の受発信。
    3)住宅の視察及び建設現場の見学。
 
第4章 会員
 第5条 本会の会員は、本会の趣旨に賛同する個人とする。
 第6条 本会に入会する者は、別に定める入会申込書を本会に提出する。

 
第5章 役員
 第7条 本会は、会員の中から次の役員を置く。
    1)代表幹事    1名
    2)副代表幹事   2名
    3)幹事    若干名
 第8条 役員は、総会において選出する。
 第9条 役員は、次の職務を遂行する。
    1)代表幹事は、本会を代表し、会務を総理する。
    2)副代表幹事は、会長を補佐し、事故ある時はその職務を代行する。
    3)幹事は、幹事会を構成し、会務の執行を決定する。
 第10条 役員の任期は、1年とし、再任を妨げない。

 
第6章 会議
 第11条 本会の会議は、総会と幹事会とする。
 第12条 総会は会員で構成し、次の事項を議決する。
    1)事業報告・計画の承認。
    2)会則の改正。
    3)役員の選出。
 
 第13条 幹事会は、代表幹事、副代表幹事、幹事で構成し、次の事項を処理する。
    1)総会提出議案に関する事項。
    2)事業の具体的実施に関する事項。
 第14条 会議は、全て代表が召集し議長となる。
 第15条 会議は、委任状を含む会員数の二分の一以上の出席をもって成立し、出席者の過半

    数をもって議決する。

 
第7章 顧問
 第16条 顧問は、代表が委嘱する。
 第17条 顧問は、専門的な事項について、代表の諮問に応ずる。

 
第8章 事務局
 第18条 事務局は、代表が依嘱する。
 第19条 事務局は、本会の事務及び会計を処理する。

 
第9章 会計
 第20条  本会の会費は、年会費6000円、会員以外の参加費は1000円/回とする。

 
付則
 1. この会則は、2001年4月1日から施行する。
 2. 2002年4月1日改定。

 

2003.06.14